金子ユリさん 金子ユリさんのおしゃれノート

『金子ユリさんのおしゃれノート』【50'sクラシカル好きさんにおすすめ!】

2020年8月24日

2006年に出版され、現在は絶版になっている、金子ユリさんの洋裁本『金子ユリさんのおしゃれノート』を手に入れました。

50'sの洗練されたクラシカルなデザインに惚れ惚れしてしまう、永久保存版な一冊のご紹介です。

金子ユリさんの経歴は?夫はpink house(ピンクハウス)創設者の金子功さん。

金子ユリさん、旧姓は「立川ユリ」さん。

1945年横浜にて、ドイツ人の父と日本人の母の間に誕生。

戦後、父親の祖国・西ドイツで8年間生活するも、両親が離婚し、母と妹と共に日本に戻る。

16歳でモデルクラブに所属し、ファッション業界に飛び込む。

1961年、クリスマスパーティー用のドレス撮影で、のちの夫になるデザイナーの金子功氏と出会い、19歳で結婚。

金子氏が立ち上げた超人気ブランド”PINK HOUSE(ピンクハウス)”のミューズモデルとして、1970年代のファッション業界を席巻。

その後は、子育てを経て、"KANEKO ISAO"ブランドの中に少しずつ作品を発表し始め、2003年に自らデザインするブランド“with love.”を発表。

2007年、金子功氏は、秋の作品よりデザイナーとしての活動を休止。

"KANEKO ISAO",”with love.”も同時期に閉店となった。

現在、金子功さん81歳、金子ユリさん75歳。(2020年時点)

金子ユリさん、1970年代ファッションモデルのレジェンドのようなお方でした!

お名前は存じ上げませんでしたが、"PINK HOUSE"を立ち上げた金子功さんの奥様だったんですね!

PINK HOUSEといえば、リボン、レース、フリル、小花柄、お花のコサージュなど、ロマンチックで、女の子の夢がつまったようなブランド。

朝ドラ「半分、青い。」で画家・秋風の秘書として働く菱本若菜を演じる井川遥さんが着用していて、話題になってましたよね。

1990年代に、金子功さんはpink houseからは離れているようですが、その後は弟子の植村浩樹さんがpink houseのデザイナーとして活躍されています。

また、植村さんは、ユリさんのwith love. も手がけていたようです。

余談ですが、植村浩樹さんのブランド「byU」(バイユー)の2016SSコレクションが女心をくすぐるデザインで、私的にツボすぎます…!

新しいブランドを立ち上げたりすることは金子夫妻の年齢的に難しそうですが、お二人の築いた服作りの理念は若い世代のデザイナーたちに引き継がれているようですね。

『金子ユリさんのおしゃれノート』はどんな本?

金子ユリさんの経歴が衝撃すぎて、長くなりすぎました。

ようやく、本のレビューに移りますね。

ユリさんの服は、本にも載っている通り、まさしく「懐かしいけれど、新しい感じ。」

ユリさんが少女の時にパーティーで見かけた、ユリさん自身も憧れた50'sのファッションがベースになっているそう。

2020年の現在も、女性の美しさ・品の良さを引き出してくれるテイストのお洋服ばかりです。

内容

ワンピース5種類(ツーピース含む)、ブラウス2種類、スカート2種類、ジャケット2種類、コート1種類と量はそこまで多くありません。

サイズ展開は、MとMLのみです。

また、スカーフの合わせ方、ドレスアップのための小物の合わせ方、カジュアルダウンしたい時の帽子、インナーの選び方など、仕立てた服を長く楽しむためのコーディネートのヒントがふんだんに盛り込まれています。

コラムも、ユリさんの丁寧な暮らしぶりが垣間見れて、何度も読み返しちゃった。

作り方の解説がとってもあっさり。

解説は、よく言うとシンプル、悪く言うと不親切。

現在出版されている洋裁本が親切すぎるのか、それに慣れてしまっていると、びっくりします。

今の本は、まず最初に生地を水通ししてください、地直ししてください、なんてところから書いてくれてますもんね。

また、仕立てた生地の素材も知りたいのに書いてないっ!

どんな感じの生地で仕立てたら写真みたいになるの?!とまだわかってない人間には厳し目の本です。

ユリさんの本は、服作りをある程度したことあります、という方向けの本ですね。

2000年代のパターンなので、肩幅・袖丈・着丈は調節が必要!

以前、海外竜也さんの「スイートドレスレシピ」の「ツイードのジャケット」を仕立てたことがありまして。

ツイードなので、型紙から時間をかけてコツコツ作り上げたんですが、着てみると、肩幅ちょっと違和感あるし、着丈長めだし、袖丈長いし…せっかくちゃんとできたのにちょっとショック…ということがありました。

当たり前ですよね、10年前のファッションなんで、同じように仕立ててしまうと「なんか古くさい」ということになってしまうんですよね。

洋裁ちゃんと勉強されてる方はそんな失敗しないかもしれませんが、ビギナーは写真みて、なんか良さそう!と思って何の疑いもなくそのまま仕立てるってやりがちだと思います。

こちらの本も「フラットカラーのコート」とかみるに、ちょっと肩幅ありそうな気がしますので、今売っているコートのパターンと比較して、修正してから作るべきかなと思います。

私が気になったパターンはこちら!

1つ目は、クラシカルスーツのセットアップ

1つ目は、クラシカルスーツのセットアップ。

他の方のインスタグラムを拝見しても、作ってらっしゃる方がとっても多かったのが、こちらのジャケット。

清楚なビッグカラーに目が止まります。

丈を伸ばしてコートにしても可愛いかもなぁ。

2つ目は、カーディガンジャケット

2つ目は、カーディガンジャケット。

ジャケット、というとビギナーである自分は、「ジャケット?!なんか難しそう…」と一方的に嫌煙してしまうんだけど、これは気兼ねなく取り組めそう。

2010年くらいのブログなんだけど、ウールの生地でこちらのジャケットを仕立ててる方がいらっしゃいました。

セルフォードとか、FOXEYみたいな感じでとっても素敵だったんです。

生地が厚手になるとリボンが結び辛かった!という感想もみかけたので、リボンは飾りとして、スプリングホックで止めるようにしても良さそうですね。

(追記)こちらのカーディガンジャケット、実際に仕立ててみました〜!

『金子ユリさんのおしゃれノート』レビューまとめ

絶版になった金子ユリさんのソーイングブック、『金子ユリさんのおしゃれノート』のご紹介でした。

ユリさんの旦那様は、PINK HOUSEの創業デザイナー、ご自身は、1970年代ファッションモデルのレジェンド的存在でした。

お洋服は、上品・クラシカル・レトロなテイストで、お出かけ服として仕立てたいパターンが充実していました。

ぜひみなさんもお手にとってみてくださいね!


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